JICCとは
日本にある個人の信用情報を取扱う機関は3つあり、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)と並ぶ個人の信用情報を保持している機関の一つで、株式会社日本信用情報機構(略してJICCと呼ぶ)のことです。
加盟している会員の業種別に分かれており、JICCは主に貸金業者が加盟しています。
しかし、CIC、KSCと共に相互に交流がありますので、加盟していない機関でも、他の信用状機関から個人信用情報を確認することが可能です。
貸金業者の加盟が主体であることから、消費者金融からの借入状況、返済履歴、クレジットカードの取引状況が記載されています。
信用情報開示手続き方法
スマホから申し込む場合は、初回アプリのダウンロードが必要になります。JICCの申し込み画面から使用しているApp store もしくはGoogle play のQRコードかロゴをクリックするとダウンロード画面に移行します。(JICCより抜粋)
あとは、下記のように表示画面に従い入力していけば大丈夫です。スマホでの申し込みは1,000円かかります。郵送での申し込みは1,300円となります。
また、スマホの場合はマイナンバーカードでの認証手続きになりますので、マイナンバーカードをお持ちでない場合は、郵送のみでの認証となります。

郵送の場合は、マイナンバーカードがなくても公的身分証明書を2点送れば、大丈夫です。
-1-1024x477.png)
認められている公的書類は以下の通りです。
- 1.運転免許証または運転経歴証明書
裏面に記載がある場合は両面コピー - 2.パスポート
顔写真、氏名、生年月日が掲載されているページをコピー - 3.在留カードまたは特別永住者証明書
裏面に記載がある場合は両面コピー - 4.マイナンバーカード(個人番号カード)
表面のみコピー
※通知カードは本人確認書類として利用できません。 - 5.住民基本台帳カード(写真付)
裏面に記載がある場合は両面コピー - 6.障がい者手帳
氏名・生年月日欄をコピー - 7.保険証
氏名・生年月日欄をコピー - 8.住民票(発行日から3か月以内)
原本またはコピー(本籍地・個人番号の記載が無いもの) - 9.印鑑登録証明書(発行日から3か月以内)
原本またはコピー - 10.年金手帳
氏名・生年月日欄をコピー - 11.戸籍謄本または戸籍抄本(発行日から3か月以内)
原本またはコピー
報告書の見方
では、取り寄せた信用情報の見方について解説していきます。参考にJICCの報告書見本も添付します
JICCの信用情報記録開示書には二つのファイル(ファイルDとファイルM)があります。それぞれの記載内容は以下の通りです。
〈本人要件情報〉
個人を特定する情報が記載されています。項目は氏名、電話番号、生年月日、自宅住所、勤務先、本人確認書類です。
1.ファイルD(ファイルDebit/Data )
ファイルDは貸金業者の借入情報がメインで消費者金融からのキャッシング、カードローンなどに関する内容です。項目は以下の順番に登録されています。借入が主体なため、契約の発生、完済、延滞、異動情報の際に更新されることが多いです。
登録会社名、登録ファイル、契約状態、契約日/貸付日、取引形態、残高金額、異動参考情報等、CIC 加盟状況、利用日、利用額、利用合計額/貸付金額/補償額、入金日、入金予定日/残高確認日、完済日/譲渡日、包括個別、同意取得、配偶者引受、法令金額区分が記載項目です。
この中で、注意すべき点について見ていきましょう。
異動参考情報等
異動情報には、延滞(入金予定日から3か月以上の場合)があれば、記録が残ります。さらに債務整理が行われた日や破産申立日もすべて記録されます。
ここで注意してほしいのは、同一の異動情報であるにもかかわらず、各社ごとに記録日が異なる場合があります。例えば裁判所への破産申立日は同じでも、各社の異動情報として記録された日が採用されるからです。そのため、登録された情報が抹消されるタイミングもずれることに注意して下さい。私の経験からも1~2週間はずれて記録されています。つまり一つの異動情報が登録される各社のタイミングで記録日がずれてしまいます。そして債務整理、特定調停、民事再生も同様に記録日から5年間記録されます。
取引形態
各社の取引条件が記載されます。クレジットカードのキャッシングであれば、「クレジットカード(キャッシング)」カードローンであれば「融資」、利用しているカードに保証会社がついていれば「保証契約」と表示されます。特に、利用した覚えのない会社が記録されている場合は、この保証会社であることが多いです。
CIC加盟状況
JICCに加盟し、CICにも加盟している場合には、この欄で「加盟」と記録されます。この場合はCICとJICCの両方のデータを持っています。
2.ファイルM(Monthly/Membership)
ファイルMでは、クレジット契約情報が主体となります。クレジットカードの利用状況だけでなく携帯電話の機種代金分割払いの割賦販売、並びに信用保証会社の保証契約も含まれます。毎月の支払い状況と利用残高を見るので月次更新されます。
登録会社名、登録ファイル、契約状態、契約日、取引形態、残高金額、異動参考情報等、利用日、契約額/極度額、キャッシング極度額、キャッシング残高、割賦残高、保証額、最新入金日/残高確認日、入金予定日、商品名、CIC加盟状況、情報確認日、契約終了日、支払いサイクル、支払回数、年間支払予定額、年間支払基準日、本人・保証人区分、同意取得、重複債権が記載項目です。
異動参考情報等
ファイルD同様記載項目は変わりませんが、ショッピングを通して毎月の支払、残高、限度額、支払いサイクルなどの月々の支払いの推移に注力した項目になっています。
ファイルMの方がクレジット契約が主体なため、月々の支払い状況や残高など、より細かくした情報を見ることが出来ます。CICと違い、過去2年間の支払い状況は記載されておらず、最新の支払い状況のみが記録されています。しかし、JICC加盟企業は殆どCIC に加盟しているため、相互に情報共有している状態と言えます。
なお、異動情報に記載の日付は、実際の債務整理日でなく、加盟企業が登録した日であることは先述の通りです。この異動情報欄に記録された状態が、ブラックリストに載った状態と言えます。この欄が空白であることが望ましいのは言うまでもありません。
極度額・キャッシング極度額・割賦残高
極度額とはその会社が認めた利用限度額のことです。うちキャッシング機能がついている場合はその利用限度額、割賦残高では、現在利用しているローンの支払い残高を示したものです。この利用限度額の高さも信用度を表すと言えます。すでに使用しているクレジットカードの利用限度額と利用状況及び支払い状況などを見て、新規で申込したクレジットカード会社の審査に影響を及ぼしていると思われます。
信用情報記録開示書(会員照会記録)
新規でクレジットカードやローンの申込をした場合に、加盟している会社が照会した情報が載っています。照会年月日、照会会社名、紹介対象、照会目的/照会機関、商品名、申込金額が表示されます。
この記録は照会年月日から半年間は記録されるので、一度否決されたのち、別の会社や再入会を申し込む場合は半年たたないと審査が通りにくくなります。
本人申告コメント・サービス情報
JICCのみに記載される情報で、主に第三者の不正利用を防止する目的で、利用されています。例えば運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が紛失や盗難にあったりした場合や本人確認書類のコピー等で名義を悪用されたりする恐れがある場合、その他、同姓同名で混同される恐れがある場合など金融機関に注意を促すことが出来ます。
JICC に本人認証と共に、申し込む(アプリ、郵送どちらでも可)ことが可能です。登録すれば5年間は有効です。
この本人申告コメントで与信審査への影響はありません。
まとめ
1.JICCはクレジット会社及び貸金業者が主体として加盟している機関です。CICにも同時加盟している企業も多く、KSCも含めて情報交流できるようネットワークで結ばれています。
2.JICCに個人信用情報の開示請求するには、アプリからオンラインで行う方法と郵送からの2通りがあり、急ぐ場合はオンラインが便利です。
3.クレジット会社と貸金業者の要求するデータの違いからファイルDとファイルM が存在します。また、本人が新規申し込みをした場合に、各社が照会した記録が半年間記録されます。
4.CICと異なり、過去2年間の支払い状況やクレジットガイダンスはありません。また、CICにはない本人申告コメントがある場合には、5年間記録されます。
JICCはCICやKSCなどともネットワークによる交流が出来るため、データの共有化が出来ますが、本人申告コメントはJICCだけのサービスなので、不正防止の恐れがある場合には、こちらで登録しておくことで、ネットワークを通じて情報が共有されるので有効です。CIC、JICC、KSCの特徴を理解して、個人情報の開示請求に役立てて下さい。
コメント