経験者が語る!債務整理の弁護士・司法書士の選び方|失敗しない7つの重要ポイント

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債務整理を成功させるためには?

債務整理を考えていても、ほとんどの方はそのやり方が分かりません。だから専門家の協力が大事。しかし弁護士や司法書士(以下弁護士等という)であれば誰でも良いとはなりません。やはり弁護士等もそれぞれの分野に強みのある専門家がいます。問題はどんな基準で選ぶべきか?

そのために重要なポイントは以下の通りです。

  • 債務整理の実績
  • 明確な費用提示
  • 専門家との相性

この3つのポイントに従い、複数の専門家に相談し、自分にとって最も信頼できるパートナーを見つけることが重要で、借金問題解決への近道と言えるでしょう。

適切な弁護士等を選ぶ理由

債務整理は専門的な知識と交渉力が不可欠です。実績がないあるいは経験が乏しければ最適な解決に至らない可能性があります。また費用体系が不明だと後々トラブルに発展して、信頼すべき弁護士等との無用な争いにも発展しかねません。精神的な負担が大きい手続きの中で、信頼できない相手とは円滑なコミュニケーションが取れなかったりするため、問題の解決が長引いたりします。

債務整理の専門家を選ぶべきポイント

そもそも弁護士と司法書士、どちらに頼むべき?

弁護士と司法書士では本人との「代理権」の範囲が異なります。とくに司法書士はだれでも良いという訳ではありません。法務省が定めた研修を終了し、その後の試験に合格した認定司法書士のみが相談や交渉などを行えます。また、その扱える案件も限定的です。

  • 1社あたりの元金が140万円以下の任意整理交渉
  • 140万円以下の過払い請求権
  • 簡易裁判所における訴訟の代理人に限定

このように認定司法書士であっても、取り扱える金額に制限があり、借金の金額が大きい場合には、対処できるのは弁護士のみとなります。自分の借りている金額などを把握していないと二度手間となる恐れも。しかし、弁護士費用よりも割安な傾向があるため、任意整理や借金金額が140万円以下の方で、依頼費用を抑えたい方には向いています。私も任意整理については弁護士を、自己破産については司法書士に依頼しました。一概には言えませんが私の経験では、司法書士の場合だと弁護士と比較して10万円ほど安く依頼できました。

司法書士は基本的に書類作成代行が主な任務です。140万円以上の債権者との交渉(140万円以下は可能)、最適な債務整理を選ぶ判断やアドバイス、裁判所への代理人としての対応などは弁護士でないと出来ません。本人のみしか対応できない裁判所からの出頭要請(審尋)以外は弁護士にお任せすることができます。つまり費用を抑えて、必要に応じて自分が対応するサポート的役割の司法書士を選ぶか、高い費用を払ってでもすべてを弁護士に託すかというイメージです。

【最重要】債務整理に強い専門家を選ぶ7つのポイント

①債務整理の実績が豊富であるか?

公式サイトの解決事例や年間の相談件数を確認。「債務整理 弁護士」「債務整理 司法書士」などで検索すると出てくると思います。法テラスの場合は「法テラス 都道府県名」、弁護士会の場合は「都道府県 弁護士会」で検索すれば登録されている弁護士等のリストを見つけることができます。そこから事務所のホームページにアクセスして、実績なども確認しましょう。

②費用体系が明確で、事前に説明してくれるか。相談料・着手金・報酬金・実費など、総額でいくらかかるのかを丁寧に説明してくれるか

初回相談時の費用を含めて、金額の提示が明確であるかが重要。弁護士に支払うお金はいろんなものがあり、相談料・着手金・報奨金・実費・手数料・日当など多岐にわたります。またその計算方法も複雑である場合も。加えて現在は病院の診療報酬のように一律に決められているわけでなく、弁護士の裁量で自由に金額を決めていいことになっているので、しっかりと確認しておきましょう。特に複数の料金が発生する場合には総額での金額提示をお勧めします。こちらから聞かないと答えてくれないなどの金額提示に明確性がない事務所は避けた方が無難です。

相談料依頼前などの相談時間に応じてかかる費用
着手金依頼の結果にかかわらず発生する費用
報奨金依頼の結果に応じて発生する費用
実費依頼の遂行ために弁護士が支払った費用
日当弁護士が移動などで時間的拘束を受けた場合に支払う費用。宿泊費や交通費は含まず。
時間制報酬弁護士の作業時間に応じて支払う費用
手数料主に当事者間で争いのないケースで事務的な手続きに要する費用。例:遺言書作成

引用元:日本弁護士連合会船橋シーアクト法律事務所

③親身に話を聞き、説明が分かりやすいか(相性):専門用語を多用せず、こちらの状況を理解しようと努めてくれるか。

依頼者の立場に立って、話を聞いてくれる。質問にわかりやすく答えてくれるかが大事です。ただでさえ法律は難解な言葉や条文が多くて理解が難しいので、具体的な話を交えて的確な回答が得られているか確認します。複数の弁護士からの説明を受けてみて、最も納得がいく説明のできる弁護士を選びましょう。

④メリットだけでなくデメリットも説明してくれるか:手続きの厳しい側面(ブラックリストなど)も隠さず伝えてくれるか。

債務整理はとるべき解決手段によってメリットやデメリットが異なります。依頼者の希望や置かれている状況を踏まえて判断しているかどうか。依頼者にとって最適と思われる手段についての説明があり、メリットだけでなくデメリットまで説明が行われているか判断します。

⑤受任後の連絡・報告が丁寧か:進捗状況をこまめに報告してくれるか(口コミなどで確認)。

状況報告をこまめに連絡してくれるか、返信がスムーズであることも重要です。連絡が遅かったり、なかったりすると依頼者は状況が分からず、不安になります。また、取り次いでくれる事務員との連絡や返信スピードも判断材料の一つです。

状況報告を弁護士が行わず、事務員が応じている場合は要注意です。面談の日程などの事務的な連絡の場合を除いて事務員に任せて弁護士が対応しない場合があります。そのため事前に口コミサイトの評判を確認しておきましょう。検索サイトとして「ベンナビ」「弁護士ドットコム」「ココナラ」など主要サイトで確認してください。飲食店などの口コミサイトとは違い、悪評はありませんが目安の一つとしてください。また個人名で検索するのも手です。「〇〇〇〇弁護士 評判」で検索することも可能です。

過去に懲戒処分を受けた弁護士を確認することも可能です。検索する場合は「弁護士処分懲戒検索センター」で確認もできます。ただし懲戒処分を受けたすべての弁護士が悪徳とは限りません。依頼者の利益を守った結果、懲戒処分になったケースもあるからです。検索する場合はどんな内容で処分に至ったか必ず確認しましょう。

⑥相談方法が自分に合っているか:オンライン面談や土日祝日の対応が可能かなど、柔軟性があるか。

依頼者の所在地によっては、近くに弁護士事務所がなかったり、サラリーマンのように土日の会社の休みを利用して相談したい場合があります。依頼者の事情に合わせて対応力のある弁護士かどうかも見ておきましょう。特に相談の際に対応が可能かを確認しておくことも大事です。

⑦担当する専門家が直接面談してくれるか:最初の相談だけ専門家で、あとは事務員任せでないかを確認する。

相談を受けた弁護士が依頼を受けてそのまま担当してくれるのか、確認しておいた方がよいです。大所帯の法律事務所では相談時と実際の担当者が異なる可能性もあります。また案件を多くとったために、弁護士でなく事務員に対応させる場合もあります。電話の取次ぎなどはともかく、弁護士資格のない事務所のスタッフが越権行為を行うと、適切な判断が出来なかったり、守秘義務もないので情報が洩れることも考えられます。

費用で比較する場合の注意点

「着手金無料」などの安易な言葉に惑わされず、依頼によって生じる費用の総額を見積りで比較してください。特に他の事務所と比較して低すぎる場合などは、後から他の費用を請求される場合があります。トラブルを避ける意味でも総額で比較するようにしましょう。

債務整理をするのですから、一括請求されても払えないことがほとんどだと思います。事前に分割払いや後払いができないか必ず確認しておきましょう。収入が一定以下の方であれば、法テラスの民亊法律扶助制度により、弁護士費用を立て替える制度があります。利用できるか尋ねてみて下さい。

無料相談を120%活用するコツ

初回相談を無料とする弁護士事務所は多く、法テラスでは3回まで無料としています。1回30分の時間制限がありますので、事前のしっかりとした準備をして実のある相談にしましょう。具体的には借入先の会社名、借入総額、毎月の返済額、収入・支出の状況などをメモにまとめておく。より詳しくは別の記事「借金相談、弁護士に何を話す?【要点まとめ】債務整理で失敗しないために」を参照ください。

そのうえで聞きたいことをリストアップしておきます。総額費用、手続きの流れ、期間、デメリットなど、不安な点を書き出しておきます。

さらに必ず複数の事務所に相談します。1つの事務所の話だけを鵜呑みにせず、2〜3の事務所を比較して、対応や費用を客観的に判断するためです。また話の内容が分かりやすい弁護士を選択できることも判断が可能でしょう。

こんな専門家は危険!避けるべき事務所の特徴

すべての専門家が良識あるとは限りません。悪徳でなくても自分にとって相性の悪い専門家がいるのも事実です。事前にその危険信号を知っておけばリスクを回避することができます。

  • 費用の説明が曖昧で、総額を教えてくれない。
  • 相談したその日に契約を急かしてくる。
  • 「絶対に大丈夫」「100%解決できる」など、安易な言葉で期待させる。
  • 威圧的な態度をとったり、話をあまり聞いてくれなかったりする。
  • 説明に専門用語が多くて理解できない。
  • 連絡が遅いまたは折り返しがない。
  • 経験不足で質問しても的確なアドバイスができない。

上記のような対応をしてくる弁護士は依頼を回避しましょう。そのためにも1件目での対応が悪いと感じたら別の弁護士に相談することは大事です。

適切な専門家を選ぶために

以上のポイントを踏まえ、債務整理の専門家を選ぶ際は、実績費用相性を必ず確認しましょう。多くの事務所が無料相談を実施していますので、まずは気軽に相談し、実績に基づく適格なアドバイスをできるか判断します。弁護士等の行う業務で発生する費用はいろいろあります。必ず依頼に要する総額での見積もりを依頼して、複数の専門家を比較検討することから始めてみてください。専門家があなたの希望に沿って問題の解決を提起し、緊密なコミュニケーションをとれることが大事です。あなたに合った専門家と出会うことが、生活再建の第一歩となります。

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