弁護士や司法書士と相談する目的
弁護士や司法書士(以下弁護士等という)に相談者の現状を正確に伝え、最適な債務整理の方法を提案してもらう必要があります。
具体的には、任意整理、個人再生、特定調停、自己破産のどれが、本人の希望も踏まえて解決できるかを見極めるわけです。
そのためにも、現状を把握し、説明することが必要です。
でも弁護士や司法書士を前にして相談する際、いったい何をどのように話せばよいのだろうか?と思いませんか?
普段人を前にして話すアナウンサーとかでもない限り、実際には緊張してうまく話せないのではないでしょうか?
そんなあなたのために、事前に準備してまとめておくことで、自分自身の状況整理となりますし、弁護士等にこちらの現状を正確に伝えることが出来れば、最適な解決策を導いてくれるはずです。
なぜ、要点をまとめて話すべきか?
通常、弁護士等と相談する際は無料であっても、相談時間が限られることが多いので、的確に要領よく話す必要があります。そのためには、弁護士等が必要な情報を的確に伝え、判断材料を提供しなけれなばりません。
しかし、実際には、人に話すのは難しいと思います。そこで、具体的なポイントを掲げましたので、これを話す(事前に資料を準備して見てもらう)ことで、最適な解決策、手続き、費用について判断してもらいましょう。
伝えるべき具体的項目
1.借金の状況
- 借入先の名称と金額(金融機関だけでなく知人、身内等含めたすべて)
- 現時点での借入残高(借入先別に)
- 借入時期(いつから借りているか、借入先別に)
- 保証人がいる場合は氏名とその人との関係性
- 延滞の有無とその期間(借入先別に何か月延滞か、裁判所からの書類など)
2.借金が増えた経緯・原因
- 借金をしたきっかけ・経緯(なぜ借金したのか)
- これまでの返済状況(どうやって返済していたか、例:副業でアルバイト)
3.家計の状況
- 毎月の手取り収入
- 毎月の支出内訳(家賃、食費、光熱費、交通費など、概算でも示す)
- 副業の収入
4.財産の状況
- 現金・預貯金の有無と金額
- 不動産(持ち家、土地)の有無と相場価値、ローン残高
- 自動車の有無と車種、年式、ローン残高、査定価格
- 株・保険証券などの無形資産(市場価格、解約返房金など)
- その他(貴金属、売却できる骨董品など)
5.仕事・家族の状況
- 現在の職業(特に資格停止になる可能性のある士業など)と雇用形態(正社員、自営業、アルバイトや派遣など)
- 家族構成(配偶者、子供の有無と年齢、扶養家族の有無とその関係)
- 家族に債務整理を内緒にしたいかどうかの希望
6.希望する解決策
- 何を優先すべきか(家を手放したくない、借金を全てなくしたい、毎月の返済額を減らしたいなど)
- 弁護士等費用は分割で払いたいなど
相談時に意識して欲しいこと
上記にある項目は、項目として多いと感じるかもしれません。しかし、これらの情報がないと弁護士や司法書士は、現状から適切な解決策が見いだせません。
可能な限り、これらの情報を事前に整理して、正直にお話しするべきです。また、これらを自分で把握することで、弁護士等の質問に的確に回答を返せたり、こちらからも疑問に思ったことを質問しやすくなるはずです。
その他、実際に弁護士等に相談されるときは、以下の点に注意して臨んでみて下さい。
隠さず正直に話す
例え自分に不利な情報であったとしても、すべて正直に話してください。隠し事があると、適切なアドバイスが得られないだけでなく、後に問題が発生したりします。また、弁護士や司法書士との信頼関係が崩れる可能性があります。
資料を持参する
頭ですべてを把握できる人はそういません。間違いを防ぐ意味でも、必用な書類を持参して、質問にいつでも提示できるようにすべきです。
メモを取る
弁護士や司法書士からのアドバイスを忘れないためにも、メモを取りながら話を聞くようにしましょう。メモを取ることで、自分が理解しているか分かります。聞き漏らしたら、その場で聞くことも大事です。
焦らず検討する
弁護士等からの提案をその場で即決する必要はありません。場合によっては、別の弁護士等と相談して決断するのもありです。いわゆるセカンドオピニオンとして、自分にとっての解決策が正しいかも判断できると思います。
手続きや費用もありますので、納得した上で依頼するかどうかを決めましょう。
【参考図書】
「いい弁護士の選び方/上手な付き合い方」大坪孝行著、株式会社翔泳社
「弁護士に依頼する前に読む本」山崎武也著、日本経済新聞出版社
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